給食現場で納品された食材が発注内容と合っているか、という点を確認する「検収照合」は、毎日のように発生する重要な業務です。品目・数量が正しいかどうかを確認することに加えて、品質や賞味期限のチェック、検収結果の記録、その後の発注や在庫管理などにも関わってくる重要なプロセスであるといえます。
しかし、「検収の際に確認すべき項目が多くて時間がかかってしまう」「紙やExcelでの記録や転記に手間がかかる」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。こちらの記事では、検収照合の基本的な部分から具体的な確認項目、現場で発生しやすい課題、効率化するための方法、給食管理システムの選び方をご紹介します。
給食における「検収」とは、納品された食材・物資が発注した内容(品名や規格、数量、品質、鮮度、温度など)を満たしているかを検査して受け取る作業を指します。また「照合」は、あらかじめ作成していた発注書と納品物・現物を突き合わせて、内容に相違がないかを確認する作業です。
検収照合では、発注書や納品書と現物を突き合わせ、食品の状態を確認して受け入れの可否について判断を行います。たとえば、数量が発注通りだったとしても冷凍食品が溶けている場合にはそのまま受け入れることができません。また、衛生的に問題がない食品だったとしても、発注書と異なるものが届いている場合には、予定していた献立に使えない、という状況に陥ることもあります。
このように、給食現場における検収照合は、安全な食事を提供するために非常に重要な業務であるといえます。
給食現場における検収照合は、「発注→納品→検収→照合→記録」という流れで進むことが一般的です。食品の発注をして納品が行われたら、まず発注書をもとにして業者が持ち込んだ食材の現物を目視や温度計で確認を行います。さらに、発注した数量や規格と、実際の納品書・現物が一致しているかどうかを突き合わせます。確認した内容に問題がなければ受領印を押し、検収簿などの帳票類に日付や温度、数量、測定した品温、品質や包装などの確認結果、受け入れ・保留・返品などの判断、確認者名など必要事項を記録して保管をしておきます。
注文した食品と同じもの・同じ数量が納品されているかを確認します。「指定したメーカー・商品か」「カットサイズや重量が合っているか」「カットの有無や形状が合っているか」「冷凍品・冷蔵品の区分が合っているか」などを確認します。 また、箱数が合っているかどうかだけではなく1箱あたりの入り数や1袋の内容量を確認します。この時、包装込みの重さと食材そのものの重さを混同しないように作業を行うことも大切です。
「いつ・どこから届いた食品か」という点を確認します。納品日に加えて、その食品が届いた時刻や納入業者なども一緒に記録を行います。もし納入が遅延した場合は調理開始時間に間に合わず、給食を提供する時間に影響が出てきてしまいます。そして、早すぎる納品も保管場所の温度管理の観点などから問題となることがあります。
製造業者と納入業者が異なるケースもあるため、「どの業者が運んできた食品か」「どこで作られた食品か」を区別しておくことで、何かあった場合でも問い合わせ先を判断しやすくなります。
安全な給食を提供するためには、賞味期限や消費期限を確認することも非常に重要です。検収照合を行う際には、納品された食品のパッケージに記載されている賞味期限や消費期限について確認していきます。
給食を提供する現場では、単に納品日に期限が切れていなければ良いわけではありません。たとえば「納品日から○日以内の猶予があるか」といったように施設で定めている使用期限のルールを満たしているかを確認していきます。
食品そのものに異常がないかを確認していきます。例えば肉や魚であれば不自然な変色がないか、異臭が発生していないかを確認し、野菜や果物であれば激しい傷みや腐敗が発生していないかなど、それぞれの食品ごとに特徴を抑えて確認を行っていきます。 また、冷凍品の場合には解凍を疑うような状態が見られないかなど、適切に温度管理がされた状態で配送されたかを確認します。
食品を守るための包装について確認します。袋や容器に破れやひび割れ、液漏れが発生していないか、不自然に膨張していないか、包装内に異物が入っていないかといった点をチェックし、もし包装に損傷が見られる場合には、食品への影響も確認します。
事前に作成した発注書と、業者が持参した納品書の内容を突き合わせていきます。単価の変更がないか、またもし欠品が発生している場合には代替品への切り替えが正しく反映されているかといった点を確認し、正確な支払い処理につなげていきます。
給食現場では、毎日大量の食材が届きます。その中で、発注書と納品書、実際に届いた食品をひとつひとつ目視で確認・照合する必要があり、膨大な時間を要します。複数の業者が立て続けに納品に来る時間帯には、荷受けと確認作業が現場スタッフの大きな負担となり、調理業務への着手が遅れる原因にもなります。
たとえば、検収を行うときには食品の数量や品温、賞味期限などを紙の検収簿などに手書きで記録している施設もあるでしょう。その場合、検収が終わり事務室に戻った後に手書きした内容をExcelの在庫管理表などに転記する必要が出てくるため二度手間になり、業務効率の低下につながってしまいます。
人の手作業と目視によって行う検収では、いくら注意をしていたとしてもヒューマンエラーを完全に防ぐことは難しいといえます。たとえば類似品の規格違いや重量の見間違い、アレルギー対応食などの確認漏れが発生するリスクがあります。このような見落としが発生すると、追加発注や献立を急遽変更するといった対応が必要になります。
食品を仕入れる際には、天候不良による野菜の欠品や、業者側のミスによる過納品といったように、発注通りに食材が届かないという事態が発生することもあります。このような場合には、紙やExcelを使用した管理では元の発注書を訂正する点に加えて、Excelで作成した在庫表なども連動して手動で修正する必要が出てきます。このことから、計算ミスや関係者間での連絡漏れといった状況が生じやすくなります。
検収照合の作業について、明確に手順を整備していない場合には担当者ごとに確認にかかる時間や方法にばらつきが出ることがあります。たとえば経験豊富なスタッフであれば細部まで素早く確認できますが、新人スタッフの場合は確認に時間がかかる、見落としが発生するといったように担当者によって検収の精度に差が生じてしまう可能性が考えられます。
施設内で行う検収の項目や確認の際の手順をマニュアル化し、誰が担当したとしても同じ基準で確認が行える体制を整えることが大切です。「どの食材を」「どの順番で」「何を基準としてチェックするか」といった点について一覧にしてまとめておくだけでも、確認漏れの防止につながり、新人も検収作業を行いやすくなります。
また、イレギュラーが発生した際の報告ルートについて定めておくことも大切です。
紙の検収簿に記録した数値を別の帳票やExcelに転記を行う場合、非常にミスが発生しやすいといえます。そのため、記録で使用しているフォーマットそのものの見直しを行い、現場で記入すればそのまま完了するという仕組みを作れば、転記に伴うミスを防げます。さらに、検収結果を入力しやすいフォーマットにすることで、事務作業の負担を軽減できます。
発注書や納品書、検収簿といった必要な情報を別々のファイルや媒体で管理を行うのではなく、データの一元化を行うことで効率化につながります。そして、発注データに対し「納品済み」「欠品」といったステータスの付与を行った上で管理を行えれば、確認作業もスムーズに行えるようになります。
検収照合の機能を搭載した給食管理システムの導入によって、作業の効率化につながります。システムでは発注データがそのまま検収画面にも連携されるため、手書きやExcelへ転記する必要がなくなります。また、システム上で数量の差異や代替品の登録も容易に行えることから、これまでかかっていた手作業による負担を大幅に削減できます。
給食管理システムの導入により、あらかじめ登録した発注データは自動で検収画面に一覧表示されます。そのため、納品書と現物を確認しつつ、画面に表示されている発注数量と照らし合わせられることから、紙の書類をめくりながら探す手間を省けます。
予定通りに納品が行われていればシステム上でチェックを入れるのみで処理が完了するため、確認にかかる業務負担を軽減できます。
検収を行う際に入力していくことにより、データの一元管理を行えるようになります。複数の調理場などを管轄している給食センターなどの場合には、それぞれの現場の検収状況について遅れがないか、返品が発生していないかなどをリアルタイムで把握し、管理できるようになります。
システム上で検収結果を入力すると、自動的にデータベースへの保存が行われます。紙の検収簿に手書きで数量や品温などを記録し、その後パソコンを開きExcelへの転記作業を行わずに済むようになります。この点から、ヒューマンエラーによるミスを防ぐとともに、現場スタッフ・事務スタッフ双方の作業効率を向上させられます。
必要に応じて、過去の納品状況や単価の推移確認を行う場合でも、給食管理システムの導入によってキーワードや日付によってすぐに検索を行えます。情報が必要な場面で紙のバインダーから探すことなく、求められている帳票をすぐに出力・確認できるため、スピーディーな対応が可能になります。
システムの導入によって、検収照合を効率化できる点に加えて、システム上で確定した納品データは、在庫管理や原価計算、業者への支払いといった業務に利用できます。もし欠品や数量変更が生じた場合でも、検収を記録する画面で数値を修正することで周辺業務のデータも連動して更新されますので、給食業務全体を効率的に進められるようになります。
発注データがそのまま検収処理を行う画面にスムーズに連携されるかも重要なポイントです。データの連携が行われれば、現場で検収を行う際にはすでに登録済みのデータを参照し、差異がある場合に入力や修正するのみで済むため、業務を効率的に進めることが可能になります。
給食現場では、発注した内容に対して納品数が不足したり、指定した食材が何らかの理由によって欠品しており、別の食材に変更されたりといった状況が発生します。そのため、数量の変更や代替品の登録を行いたいときに簡単に作業ができるかも確認しておくべきポイントです。
頻繁に行う処理が簡単に行えるシステムであれば、現場に導入した際にもスタッフへの浸透がスムーズに進むと考えられます。逆に頻繁に行う処理に手間がかかってしまう場合には、システム導入後もスタッフになかなか受け入れてもらえないといった状況が考えられます。
給食業務の中では、過去の納品日時や業者名、品温、数量、ロット番号など、これまでの履歴が必要になる場面もあります。この場合、速やかに必要な情報を表示できる機能が搭載されているかも確認してください。
たとえば日付や食材名、業者名といったように複数の条件から絞り込み検索を行え、必要なデータをPDFやExcelなどの形で簡単に出力できるかどうかも、システムを選定する際にチェックしておきたい部分です。
検収業務をスムーズに行うための機能が搭載されているだけではなく、発注・在庫管理などほかの業務と連動しているかも確認しましょう。検収で確定した数量が自動的に現在の在庫数に加算されるかといった点などを確認します。この点を満たしたシステムの場合、二重で入力を行う必要がなくなり、業務の効率化に繋げられます。
たとえ多機能なシステムだったとしても、実際に検収を行う現場のスタッフにとって使いにくいものだと定着は難しいといえます。文字表示が大きく見やすいか、クリックの回数が少なく直感的な操作が可能な画面設計になっているかといった点を確認してみてください。現場目線で「現在時間を要している作業について、現場の負担を軽減できるか」が重要です。無料トライアルに対応したシステムであれば、実際に現場のスタッフに操作してもらい、使いやすいかどうかを確認してもらうのもひとつの手です。
検収照合の作業は、納品された食材と発注内容について確認する重要な業務です。しかし紙やExcelなどを使用した手作業を行っている場合、確認・記録・転記といった作業が必要になるため、どうしても担当者の負担が大きくなる点が課題であると言えます。
このような場合、確認手順の標準化やフォーマットの改善などを行うことによって日々の確認や記録に要する時間の短縮が可能になり、負担を軽減できます。
検収業務における課題を根本的に解決するには、発注や在庫、原価計算といった周辺業務なども含め効率化できる給食管理システムの導入が効果的であるといえます。システムの活用によって情報の分断と転記作業をなくし、施設全体の給食業務フローを最適化するという視点を持ちつつ、施設に合った製品の導入を検討してみてください。
導入の手間やコストを抑えられる「クラウド型」の中から、現場別に適した給食システムを5つ紹介します。セントラルキッチン・施設内の厨房で調理する病院など、現場によって適したシステムは異なるため、あなたの給食施設に合わせた給食システムを選定しましょう。




